ここにきて、インドが中国アプリを禁止するなど中国アプリの排除に向けた取り組みが世界中に広がりを見せていますね。
特に槍玉に挙げられているのが、動画共有アプリ『TikTok』。
排除の理由は、個人情報が読み取られる危険性があるということですが、我々素人にはピンとこないのが正直なところ。
個人情報と言ってもどんな情報が読み取られると言うのだろうか?TikTok以外のアプリは大丈夫なんだろうか?
早速、これらの疑問について調べましたので、ご存じない方は一度ご覧いただけたらと思います。
『TikTok』が問題視された理由
まず最初に、なぜ『TikTok』だけが問題視されたのか?ですよね。
実は、『TikTok』の親会社である中国のByteDance(バイトダンス)社では、天安門事件やチベット独立、宗教団体・法輪功に関する動画を検閲するガイドラインを設けていたという事実が、2019年9月に英国Guardian紙の報道によって明らかになります。
このByteDance社は、グローバル市場向けの『TikTok』と中国内向けの『抖音(douyin)』を分けているそうですが、この報道は『TikTok』の背後に共産党の影があることを印象づけてしまったのです。
この報道に対して、ByteDance社は「問題となっているガイドラインは過去のものであり、現在扱われているものとは異なる」と反論していますが、この頃から欧米でTikTok脅威論が強まりはじめ問題視されることになったのです。
そんな中、民間団体からも問題視されはじめます。
『TikTok』は、2017年11月のByteDance社によるMusical.ly買収によって作られたアプリなのですが、『Musical.ly』の時代に投稿されたコンテンツに関連して、保護者の同意なしに13歳未満のユーザーから名前・メールアドレス・動画など個人情報を収集していたという申し立てを受けたことから、『サービスの仕様変更を約束』していたのですが、20の消費者団体は今年5月、『TikTok』がその法律や政府当局との合意を破ったとして、連邦取引委員会に苦情を申し立てられている状況です。
『TikTok』の危険性
2020年6月25日、動画共有アプリ『TikTok』がユーザーに断りなく「クリップボードのデータを盗んでいる」ことが問題になったと報じられました。
クリップボードとは、
テキストや画像の「コピー&ペースト(※)」に必要な一時的な保存領域の事
実はこれ、iPhone向けの最新OS「iOS 14」の開発者向けプレビュー版(2020年6月23日リリース)に新たに搭載されたプライバシー対策機能により、『TikTok』がユーザーのクリップボード内の情報を盗んでいることが発覚したのが発端です。
新たに搭載されたプライバシー対策機能には、クリップボードのデータがアプリに読み取られると「アプリ名 pasted from 〇〇」といった具合に警告メッセージを表示する機能があるそうで、実際に『TikTok』でテキストを入力すると、1~3ストロークごとにクリップボードのデータを『TikTok』が読み取っていることを通知するメッセージが表示されるとのこと。
これって、ユーザーが意図しないタイミングでクリップボードの内容を読み取ることになるので、パスワードやメールアドレスなんかも読み取られる危険性があるということになりますね。
TikTokと同じ危険性を持ったアプリの実態
『TikTok』と同じようにクリップボードの内容を読み取っているアプリは、現時点で『TikTok』を入れて54個あるというから驚きです。
メジャーなもので言えば、LinkedInやGoogle Newsなどもそのようです!
詳しくは、iPhone関連の最新ニュースや便利に使い倒す方法などをお届け中の、iPhone Mania(アイフォンマニア)で確認してみて下さい。
まとめ
今回、調べた結果は以下の通り。
動画共有アプリ『TikTok』は、クリップボードの内容を利用者の意思を確認することなく勝手に読み取っているという事実がある。
クリップボードの内容を勝手に読み取るアプリは、現時点において『TikTok』を含めて54個存在している。
これらアプリから、個人情報であるメールアドレスやパスワードなどが読み取られる危険性があるということ。
私自身は『TikTok』をダウンロードしたことも利用したこともないので大丈夫だと思っていましたが、他にも53個のアプリがクリップボードの内容を勝手に読み取っていたという事実を知って、改めてアプリの危険性を認識させられました。
また、中国アプリの多さに中国共産党の強かさというか脅威を感じました。
便利さと引き換えにリスクを背負うことがないように慎重なアプリ選びを心がけましょう。